フリー薬剤師.comでは、夢を追いかけている薬剤師・薬学生を応援しています。
また、夢を持つ薬剤師を応援する薬局経営者も紹介をしていきたいと考えています。
志の高い薬局を中心に、素敵な薬剤師になれる。人としての成長ができる。そんな薬局をフリー薬剤師.comでは
インタビュー形式で紹介をしていきます。
共感・共鳴できた薬局には勇気をもって一歩踏み出してみてください。小さな一歩が人生を変えるきっかけになると思います。今回、東京都港区にある”霞町薬局”の経営者 坂本雅子さんに取材しましたので、夢を叶えたい薬剤師さんにとって素敵な薬局と感じて頂けたら嬉しいです。
_____本日はよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
_____まず最初にですね、霞町薬局を開局されたきっかけをお聞かせください。
はい。大学を卒業してから起業するまでずっと調剤をしていましたので、いつか薬局を開局してみたいと思っていました。でも新規開局は条件が難しいですし、あったとしても医療機関から少し離れていたり、経営状況を予想できなかったり。たまたま知り合いの方からこちらの薬局の話を伺い、二つ返事で引き受けて(笑)、受け継がせていただきました。
_____承継されてからどれくらい経ちましたか?
今年で5年目です。
_____場所柄、西麻布、六本木の近くなので周りの変化も激しいですか?
周辺のお店は入れ替わりが多い方かもしれないですが、路地に入ると閑静な住宅街でお住まいになっている方が結構いらっしゃるんです。通りのビルも1階はお店で上階は住宅が多いんですよ。またご年配の方が多く、驚いたのは小さいお子さんから90歳代のおじいちゃまおばあちゃままでの4世代家族の方が何組かいらっしゃることです。核家族のイメージが強い都心で素晴らしいですよね。
_____ご家族で来られるんですよねぇ。
はい、でも来局されるのはそれぞれ別々ですけど(笑)
_____みなさんお元気なんですね。
はい。少し坂道があり大変そうですが、杖をついて歩いて来られる方もいらっしゃいます。
_____霞町薬局さんで今一番注力されていることを具体的にお聞かせください。
今頑張っているのは健康教室、患者さん向けの勉強会です。元々は健康サポート薬局の対応策として始めました。複数の薬剤師が健康サポート薬局の研修を修了していないと保健所から許可が出ないということで半ば諦めつつある状態ですが、勉強会の方はそれに関係なく毎月1回程度で継続させてもらっています。私の力というよりも継続して下さるスタッフの皆さんの協力と実力です!患者さんからもご好評を頂き、「次は何やるの?次はいつなの?」とよく聞かれます。この勉強会のおかげで患者さんとより身近な関係になれているかなという感覚があります。それをまず継続していきたいということと、できればもう1店舗薬局を持ちたいかな。それから、やっぱり人は食事、食べる事が必須で食は一生と言いますので食事のサポートもできる薬膳カフェを薬局の隣にガラス一枚ぐらいの壁で併設して健康的な食事ができる空間が作れたら良いなと思っています。
_____先ほど患者さん向けの勉強会でスタッフの実力があるというお話でしたが、患者さんとの対話でもその実力というのは発揮されていますか?
患者さんにわかるように説明して下さるというか、より詳しい方にはそれなりの話し方をして下さっています。若い方というよりもどちらかというと年配の方が多いので、それで納得、理解していただけるような工夫をしてくれています。パワーポイントを使うのではなくてホワイトボードで近い距離で説明して質問もしやすいという感じですね。 簡単な実験があったりもしますよ。
_____実験ですか?
はい。最近では味覚の実験がありました!
10月からは漢方の勉強会も予定しています。
_____漢方の勉強会もあるんですね?
国際中医師の資格をお持ちのスタッフが講師をして下さいます。
_____今、テレビなどでも東洋医学が注目されていますよね。
そうですね。漢方は皆さん興味をお持ちのようですし。実は漢方はほとんどが女性のために作られたらしく、対男性に対するものは圧倒的に少ないらしいんですけれども。女性の不定愁訴などから発展していったんでしょうね。
_____そういったお話が勉強になりますよね。
そうですよね。正確に言うと漢方と中医学はまたちょっと違うという話もあるらしいです。
_____違うんですか。
そうらしいです。第1回目なのでそのような部分から話し始めていただこうと思っています。手鏡で舌の具合を見てその人の体調をチェックするという時間もあります。
_____オアシスですね。皆さんがふらっと寄れるような。
ぜひ、ふらっと立ち寄ってほしいですね。
_____先ほど薬膳カフェという夢のお話もお聞きしましたが、そこにつながりそうですね。
はい、薬膳カフェを薬局の隣に併設してみたいです。より一層患者さんのオアシスの場になれるような気がします。今はまだ空想の世界ですけど。その目標、夢に向かって日々奮闘しています。
_____大変なことはやっぱりありますか?
やはり日々大変です、患者さんがまとまって来局され混雑してしまうところに電話で問い合わせがあったり臨時在宅依頼があったり、OTC購入に来られたり・・・。こぢんまりとした薬局なので予想しない忙しさの時もあります。極端に暇な時もありますが(笑)これからのことも考えると薬剤師さん、登録販売者さんの仲間がほしいですね!また、健康サポート薬局はまだ取得してないのですが、市販薬などももう少し増やしたいと思っています。そういう意味では登録販売者さんも活躍しやすいと思いますよ。
_____周りに薬局はあるんですか?
調剤薬局は、少し離れたとこにありますが、ドラッグストア以外でOTCの販売をしている薬局は近隣にはないです。外国人の患者さんはドラッグストアではなくてファーマシーで買いたいと言ってくださるんです。
_____そういう違いもあるんですね。
そうするとやはり嬉しいですし、ありがたいことで、薬剤師としても大変やりがいがあるかなと思います。(登録販売者としても!)
_____英語でお話されるんですか?
はい、英語で(笑)私はあまりできないので、スタッフさんには英語のできる方を望んでいます(笑)、もしくは勉強したい方ですね。英語だけではなく中国語やフランス語でいらっしゃる方も。でも最近はスマホがあるので助かっています。翻訳アプリもいいのがありますからね。これが欲しいって画面を見せてくれたりするので、以前よりは楽になりました!
_____本当にたくさんの方々がいらっしゃるんですね。
はい、いろんな方がいらっしゃるのでそれも楽しいですよね。処方箋も近くにクリニックさんはありますが結局面で1ヶ月に100以上の医療機関から承ります。調剤もワンパターンではないのでそれも楽しいです。
_____たくさんの薬の種類が。
はい。
_____1つずつ英語で話すとすると結構大変ですよね。
全部が外国の方じゃないので大丈夫です。一応日本人がメインです(笑)
_____坂本さんについてもお聞かせ頂きたいのですが、薬剤師としての理念、そして自分の強みをお聞きできますか?
強みというのはあまり自分では感じてないです。今は薬局を経営している中では本当にスタッフの皆さんに支えられているというのをとても実感できますし、逆に一人では何もできないということも強く実感させられます。私の目指す薬剤師像としては、薬剤師の免許があり、ただ時間内は働きますという感覚ではなく、薬剤師プラスαで常にオリジナル性を出せる薬剤師さんが良いのではないかなと考えています。自分自身も頑張らなくてはいけないですけど皆さんに対しても結構発信している言葉かな、プラスα。今度は漢方の勉強会がありますけど、私はアロマのインストラクターの資格を持っていますので余裕ができたらそちらもやりたいですね。処方できる精油もあるんですよ。先日アロマセラピー学会に参加してきましたが、そちらでも勉強してきましたので早速取り入れてみたいと思っております。
_____アロマの処方箋ですか?
日本薬局方収載の精油があるので、それなら患者さんに金額的負担がかからないで症状改善に相乗効果を得たりリラックスしたりできると思います。香りも五感の中で大事な部分だと思います。
_____虫除けにも使ったりしますよね。
はい。精油は日本では雑貨扱いですけれども、こういうのもあるよという、薬に抵抗がある方にはアロマをお勧めしています。保険適用の禁煙補助薬もありますが、合わせて使うとより効果的だという症例報告を拝見してきました。あと認知症にもなどいろいろ。
_____やさしいオアシス、やさしい感じがしますね。
ありがとうございます。笑顔で患者さんも来て下さり、私たちも笑顔で迎えられれば安らいで下さると思います。癒されると思います。
_____普段怒ったりはしないんですか?
怒らないこともないですけど!?(笑)
ふわーっとして、ぼーっとしてるかもしれないですね(笑)
_____霞町薬局さんで求める薬剤師像というか人間像というかそういったところをこういった方に来ていただきたいというような形でお話をいただけますか?
基本的には前向きに働いていただける方で頑張って下さればOKです。やはり薬剤師プラスαではないですけどみんなで働いていて自分の存在感を得られるような仕事ができればスタッフも患者さんも「あの人素敵だわ、魅力的だわ!」と思って下さると思うんですよね。そういう方だと、本人も薬剤師冥利に尽きるのではないかなと。そういう方を望んでいます。あとは現実的には外国人が多くいらっしゃるので英語ができる方、又は外国人にストレス感じない方でしょうか。
_____お話が苦手でも霞町薬局さんの方で勉強しながら学んでいきたい、英語もひとつずつ勉強していくという方でも大丈夫ですか?
はい。お話が苦手というよりも患者さんの気持ちを感じ取ることができて同情しながらでも説明できる方だったら話が苦手な方でも問題ないです。話下手でも気持ちが伝わるものってあると思うんですよね。
_____外国人の患者さんの方もやっぱり気持ちは伝わるものですか?
細かい説明ができない時は苦しいですけれども、寄り添って下さる患者さんが多いので、外国の方でもそんなに不安にならなくて大丈夫です。
ただやはりお国柄によってはストレートに全部英語で説明してくれないと私は受け付けませんっていう方もいらっしゃいますが最近はそういう方は極たまにかな。どちらにしても外国の方と話すのも楽しいと思います。
_____想像ですけど、場所柄大使館の方とかいっぱい来られるのかなぁと。
はい、いらっしゃいます。でも大使館の方がたくさんというよりも普通に住んでらっしゃる方、あとはもしかしたら夜のお仕事をされている方。観光で市販薬購入の方などなど。
_____様々なんですね。
ですね!
_____知らない国で不安で自分の体のことで来られるのを受け止めていらっしゃるというのが外国の方にとってみてもオアシスなのかなと思いました。
そう思ってくださると良いのですが。
_____不安だと思うんですよね。言葉が通じなくて欲しいものを伝えられなかったりしたら。
逆に海外のファーマシスト、薬剤師って身分が高いじゃないですか。その勢いで来られるともっと頑張らなきゃいけないとプレッシャーを感じる時もあります!
_____すべての面において学べる場所ですね。
はい、そうだと思います。楽しいですよね。
_____楽しく。
はい楽しく働けるところだと思います。普通の調剤、投薬の他に在宅訪問、市販薬販売、外国人対応、勉強会開催など。欠点といえばチェーン店ではないここ1店舗だけなので、会社に対して不安を感じることはもしかしたらあるかもしれないです。
_____ございません!
その辺は信じて一緒に働いていただければと思います。
_____最後にお聞きしたいのですが、毎日ここに通ってお仕事をされていますけれども、坂本さんにとって西麻布とはどんな街ですか?
西麻布は・・・、この薬局を引き継がせてもらわなければ無縁の街でした(笑)昔、この店舗が薬剤師を募集していたことがあった時にも西麻布は遠くて無理だと思った記憶があります。まさか自分が後にこの薬局を経営するとは夢にも思いませんでした。実際薬局を受け継いてみると、一歩路地に入ると閑静な住宅街、通りにはお店がたくさん、夜も賑やかという不思議な街だなと感じています。ちなみに西麻布の昔の地名が霞町、薬局名の由来です。
_____こちらで勉強したいですという薬剤師さんも一日中楽しめますね、仕事も遊びも。
はい、楽しめると思います。夜も人によっては楽しめると思います(笑)
_____ところで派遣もやられているんですか?
派遣と紹介業を起業時に始め、後に薬局を始めました。ですので、人材業も引き続きやっています。薬剤師さんも派遣とここで働くのと半々で働くことも出来ますし、派遣だけ希望というのもOKです。もちろん転職紹介のお手伝いもすることもできますよ。
_____フレキシブルに、自分の時間を大切にしながら働くこともできるということですね。
はい、その通りです。派遣をしてみたいけれどもやったことがないのでどんなものか知りたいという方もいらっしゃると思います。そういう場合はここで時給の契約で働いて曜日によっては派遣に出てもらってということもできます。結果、派遣が嫌だったら普通に働いてもらえば良いですし、その逆で派遣の働き方が気に入ればそちらにシフトすることもできます。派遣は最低1ヶ月単位で更新ができますから、いろいろな薬局を経験していただくのもいいのかなと思います。
_____薬剤師として働きたいといった時に色々な観点で相談ができるということですね。
そういう観点でいうと今度また、薬剤師や学生さん、医療関係者の方たちなどとの交流会や勉強会も考え中です。薬局を始める前は交流会を開催していましたのでそれを再開しようと思っています。新しい人たちとの出会いも大切ですし、新たな気づきもあると思いますよ。これも一人ではなくいろいろな方との協力で開催できるものですね。
_____気軽にお話に来てください、交流しに来てくださいということですね。
ご興味があれば是非。その方が相談の話もしやすいと思います。
_____そういったお仕事のご相談というのはメールなりHPの方からできますか?
はい。メールももちろんお受けします。HPもご覧ください。フォルマチスタのHPはまもなくリニューアルする予定ですので、こちらも宜しくお願い致します。
(インタビュー:編集部)
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